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さっきびざーるさんと電話で話したこと

昨日、iBooks Authorがリリースされて少し触ってみました。今日、びざーるさんのブログを拝見して電話させていただいて、いろいろ発見がありました。その秘めやかなあれこれをメモ。そもそもびざーるさんのブログはこちら:
http://bizarre.cocolog-nifty.com/bizarres_diary/2012/01/ibooks-author-4.html


テンプレートのカスタマイズ

ウインドウ左の「ブック」ペインのバーの右端を下にドラッグすると「レイアウト」ペインが現れます。この中で「チャプタ」や「セクション」のレイアウト(InDesignのマスターに相当)を変更できます。
ちなみに、カスタマイズしたデザインをテンプレートとして保存するには、「ファイル」メニューから「テンプレートとして保存...」です。ユーザーのテンプレートは「~/Library/Application Support/iBooks Author/テンプレート/マイテンプレート/」フォルダに保存されます。iBooks Authorのアプリケーションデフォルトのテンプレート6種は、パッケージの中の下記階層にあります。 /Applications/iBooks Author.app/Contents/Resources/Templates/

ノンブルの体裁の編集

(マスター)レイアウト上で(ロックを解除して)ノンブルのテキストフレーム内で変更します。マスターアイテムはQXPと同じく、マスターページ上でロックすれば一般ページ上でもロックされます。

前置文字の編集

これはできないようです。前置き文字(「チャプタ」や「セクション」)はオマケで、実際には数字だけで使用するんだろう。「挿入」メニューに「チャプタ番号」がない→ 「セクション番号」を入力してから、該当テキストをダブルクリックし、「セクション番号」ポップアップで「現在のチャプタ」を選びます。

両端揃え

段落を選択して、「フォーマット」メニューの「テキスト」-「両端揃え」、またはフォーマットバーの「両端揃え」ボタンで変更できます。が、びざーるさんちでは最終行も両端揃えになってしまうとのこと。なんでじゃろう? うちはこんな感じ。
f:id:seuzo:20120121172758p:plain

改行できない行がある

チャプタやセクションのタイトルには字切りの指定(強制改行)できないようです。日本語は分かち書きじゃないので、へんな文脈で自動改行されちゃう可能性。2行とか難しい。

画像にハイパーリンクが設定できない

そう、ハイバーリンクできるのは選択テキストだけみたい。画像とかフレームとは関係付けられない。

チャプターやセクションの行(目次に取り込まれる行)にもハイパーリンクが設定できない

これは知らなかった。通常のテキストと組み合わせても、チャプタセクション番号などの(InDesignの変数に相当する)特殊文字にはリンクは付けられません。

ガイドがないので、ものを揃えておくのがたいへん。インスペクタで数値設定はできるけど。

「表示」メニューの「ルーラーを表示」でルーラーを表示させ、ルーラーからドラッグすることでルーラーガイドが引けます。ルーラーを消去させるには、またルーラー上にドラッグします。
ちなみにルーラーガイドにページアイテムは吸着しません。そもそも座標系は整数だけなので、ポイントだとドラッグしただけできちんと整数値にフィットします。この操作感はInDesignでもポイントを使っているとすごく普通(InDesign上でもぼくは座標位置を数値入力することはまれ)。

わたくし的iBooks Author感

iBooks Authorは電子書籍を簡単にするとても強力なアプリケーションです。書籍パッケージに必要な部品はたいてい揃っていて、割と簡単にそれらを利用できます。しかし、ぼくにはiBooks Authorがなにか新しいイノベーションという感じがしません。むしろ砂糖がけした独占モデルの一種だと思います。技術的にはEPUB2を変形させた独自フォーマットですし、何より成果物を有料販売できるのはiBookStoreに限られてしまうのですから。

「あいぶっくすおーさー」という絵の具を使って絵を描いたら「あっぷる画廊」でしか売れないでござる。

ぼくが描いた絵は「びざーる画廊」でも「せうぞー画廊」でも売りたいのです。それを禁止するために、わざわざEPUB標準から外れています。ぼくらは満足できません。
iBooks Authorにはたいていの書籍要素(見出しや図や表組みや箇条書きや目次や用語集や...)が揃っています。これほどの完成度なら「教育の再発明」以上に「電子書籍のイノベーション」となぜ名乗らないのでしょうか? 教育分野はフェアユース精神が行き届いた分野です。コピーライトの意識も比較的ゆるい環境にあるでしょう。潤沢な教育予算を使ってタブレットが普及しているようです。教職員は無料で自由にテキスト教材を流通させるでしょう。これはある種の成功事例になると思います。
成功事例に続けとばかり、iBooks Authorを商業的に利用する人は増えるかもしれません。iBooks Authorにはそれだけの能力があります。売り場が限られていようとも。

教育市場は、毒(規格外フォーマット)を美味しく見せるためのシュガーです。

ま、大声で言うほどのことじゃないんだけどねー。

(追記:2012-02-08T09:43:38+0900):Appleの使用許諾契約の変更により、PDFの有料コンテンツは自由に配布できるようになったようです。参照:Appleが排他的出版権に関する批判に応えてiBooks Authorの使用許諾契約を修正。 - モバイル林檎ニュース